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樹木医学会第16回大会のお知らせ

 樹木医学会第16回大会を,2011年11月26日(土)~11月28日(月)の3日間,下記の予定で開催いたします.

 公開シンポジウムのテーマは「生物多様性管理と樹木医学」です.生物多様性管理(IBM)は農生態系の研究で提言されました.農業では,人為による生物多様性の貧困化は特定種を農作物の有害生物に変えてきました.逆に,天敵導入や環境の改変によって生物種が有害種でなくなることがあり,さらに密度がある閾値以下になると絶滅の確率が高まります.農地の生物を大発生や絶滅をもたらさない密度に管理し,「ただの虫」との共存を図るIBMが提案されています.樹木医学は林,公園,街路樹,庭園などの管理に関わっています.IBMの考えを理解することがこれからの樹木医学や樹木医の活動に大きな影響を与えることが予想されます.シンポジウムでは,実例を通してIBMの思想や概念の理解を深めたいと思います.

 また,口頭やポスターでの多くの発表をお願いします.診断,治療などの臨症例は現場からの生き生きとした情報として樹木医学に役立つものと思います.活発な討論をお願いします.

 さらに大会最終日の28日には,東京都内での現地検討会を予定しています.多数の方々のご参加をお願いいたします.

1. 日程

2011年 11月26日(土)11:00~12:00理事・評議員会(農学部3号館1階 会議室)
12:00~13:00学会誌編集委員会(農学部1号館2階 森林科学専攻会議室)
13:00~14:00定期総会(農学部1号館2階 8番教室)
14:00~17:00公開シンポジウム(農学部1号館2階 8番教室)
17:00~19:00懇親会(農学部3号館地下1階 生協食堂)
11月27日(日)9:00~16:30ポスター発表(弥生講堂アネックス)
9:30~11:30口頭発表(弥生講堂一条ホール)
12:30~14:00ポスター・コアタイム
14:15~14:45学会賞受賞者講演(弥生講堂一条ホール)
14:45~16:00口頭発表(弥生講堂一条ホール)
16:00~16:30ポスター発表コアタイム(弥生講堂アネックス)
11月28日(月)現地検討会「大都市に残された森林形態の探訪」

2. 会場

東京大学弥生キャンパス(東京都文京区弥生1-1-1)
(東京メトロ南北線 東大前駅下車 徒歩1分)
 

3. 公開シンポジウム

「生物多様性管理と樹木医学」

I部 基調講演
「IBMとただの虫」
桐谷圭治氏(農業環境技術研究所名誉研究員)
II部 講  演
「里山的環境における生物間相互作用」
櫻谷保之氏(近畿大学大学院農学研究科教授)
「樹木における内生菌(エンドファイト)の普遍性と機能-常在的な「弱い寄生菌」の存在意義-」
畑 邦彦氏(鹿児島大学農学部準教授)

4. 研究発表プログラム

口頭発表(予鈴10分・本鈴12分・終鈴15分)

座長:窪野高徳(森林総合研究所)
A-1 9:30~9:45
コフキサルノコシカケの子実体が発生した広葉樹の樹体内における腐朽菌の空間分布
○中逵正人(東大農)・髙橋由紀子(東大新領域)・松下範久・宝月岱造(東大農)

A-2 9:45~10:00
接種試験によるサクラ類増生病に対するサクラ自生種・栽培品種の感受性の傾向
○石原 誠(森林総研北海道)・秋庭満輝・佐橋憲生(森林総研)・岩本宏二郎・勝木俊雄(森林総研科学園)・長谷川絵里(森林総研関西)・西山正大・和田博幸(日本花の会)

A-3  10:00~10:15
杭と苗木をトラップとして用いたベイト法によるナラタケモドキの捕捉
小野里 光(群馬県自然環境課)・太田祐子・○河辺祐嗣(森林総研)

A-4 10:15~10:30
ミズナラ樹体内の生理的反応と菌糸分布から見たブナ科樹木萎凋病の進展過程
○髙橋由紀子(東大新領域)・松下範久・宝月岱造(東大農) 座長:福田健二(東京大学)

A-5 10:30~10:45
愛知県知多半島で行ったナラ枯れの総合防除とその効果(Ⅱ)-総合防除2年目の成果-
○福田秀志(日福大健康)・小堀英和(樹木医会愛知)・衣浦晴生(森林総研関西)

A-6 10:45~11:00
千葉県東部のイヌマキ・ナギのケブカトラカミキリによる被害実態
○松原 功・大木一男・石橋 亨・有田和實(樹の生命を守る会)

A-7 11:00~11:15
高知県中部におけるクロマダラソテツシジミの発生とソテツへの被害について(2)-2011年秋の状況-
○藤本浩平(樹木医会高知)

A-8 11:15~11:30
スギ林火災の実態と被害から7年経過した生残立木の樹幹の状態について
○前田雄一・中村徳和(樹木医)・小山 敢(鳥取県農林総合研)

11:30~12:30 昼食・休憩

受賞講演 14:15~14:30
ソメイヨシノの枝内におけるサクラてんぐ巣病菌の越冬部位の解明
○小松雅史(森林総研)

受賞講演 14:30~14:45
生立木の内部腐朽診断に関する調査事例
○神庭正則(エコル)

座長:渡辺直明(東京農工大学)
A-9 14:45~15:00
花数調査によるサクラ類の活力度評価について-奈良県吉野山のヤマザクラを事例とした考察
○今西純一・奥川裕子・金 鉉埈・飯田義彦・森本幸裕(京大)・山中勝次(京都菌類研)・小島玉雄(サン・アクト)

A-10  15:00~15:15
建替団地内におけるサトザクラ類の衰退度判定と花付及び木材腐朽に関する考察
○小木曽 裕(URリンケージ)

A-11 15:15~15:30
木製ハンマーの重量の違いによる樹幹打撃音の変化
○桐田龍一・物部英樹(島根農業大)・陶山大志(島根中山間地域研セ)

A-12 15:30~15:45
袖ヶ浦市坂戸神社(千葉県天然記念物)における危険木の診断
○有田和實(樹の生命を守る会)・徳江 泉(マグハウス)・米沢 洋(JFEシビル)・藤平量郎(樹木医)・福田健二(東大新領域)

A-13 15:45~16:00
遺伝資源保存林におけるヤツガタケトウヒの非破壊腐朽診断 その1 3種の非破壊検査機器の比較
○山下香奈(森林総研)・勝木俊雄(森林総研科学園)・田端雅進・太田祐子(森林総研)・明石浩司(飯田美博)・元島清人(中部森林管理局)・山田利博(東大千葉演)


ポスター発表(掲示11月27日9:00~16:30,コアタイム12:30~14:00,16:00~16:30)

P1 琉球列島におけるメヒルギの樹木内生菌の感染性
吉崎 走・○亀山統一(琉球大農)

P2 Endophytic bacteria isolated from leaves of two oak species
○Thongsandee W, Matsuda Y(三重大生物資源), Shimizu M(岐阜大農), Ehara H, Ito S (三重大生物資源)

P3 鎌形分生子を持つColletotrichum属菌によるマンリョウ炭疽病の発生
○佐藤佑太(東農大森林)・本橋慶一・矢口行雄(東農大地域環境)

P4 マツ類の葉に発生する3種葉枯性病害
○浮田茂郎(東農大院林学)・本橋慶一・矢口行雄(東農大地域環境)

P5 東京有明地区で発生したクリ樹の萎凋・胴枯れ症状
○佐野真知子(法政大植物医科)・鈴木健一(東京港埠頭)・仲田理恵・堀江博道(法政大植物医科)

P6 褐色腐朽菌マスタケと近縁種ミヤママスタケ,アイカワタケについて
○太田祐子(森林総研)・服部 力(森林総研関西)

P7 多摩森林科学園におけるサクラの品種別腐朽被害
佐古和浩(アパホテル)・江角智宏(東京セキスイハイム)・岩本宏二郎(森林総研科学園)・ ○阿部恭久(日大生物資源)

P8 強風下で腐朽木が折れるかどうか推定する-2004年台風18号風倒木データからの解析-
○山口岳広(森林総研北海道)

P9 クスノキの突然枯れと落雷被害の症例比較
○池本三郎・安部鉄雄・長谷川芳男・平野達也(自然への奉仕者・樹木医協力会)・山岡好夫(玉川大農)・清水淳子(東大理日光植物園)

P10 千葉市美浜区,花見川区における台風15号による街路樹の塩害
○福田健二(東大新領域)

P11 調布市天然記念物シロハナヤブツバキの外観診断と後継樹育成
○吉田沙織・石川晶生・山岡好夫(玉川大農)・徳江 泉(マグハウス)

P12 HRM法によるアカマツ受傷前後の樹液流速
○渡辺直明(東京農工大農)

P13 2次元イメージングクロロフィル蛍光測定器による障害部位可視化の試み
○田中(小田)あゆみ(東大新領域)・村尾敏寿・片山博之(日本環境計測)・田中憲蔵(森林総研)・福田健二(東大新領域)

P14 貫入抵抗測定器(PD)を用いた根株心材腐朽探査の試み
○永石憲道・前山瑞穂(東邦レオ)

P15 北海道の針広混交天然林におけるエゾマツ・トドマツの根株腐朽とγ線腐朽診断器による測定の事例
○坂上大翼(東大北演)・山田利博(東大千葉演)

P16 遺伝資源保存林におけるヤツガタケトウヒの非破壊腐朽診断 その2 腐朽の実態と集団の減少
○勝木俊雄(森林総研科学園)・山下香奈・田端雅進・太田祐子(森林総研)・明石浩司(飯田美博)・元島清人(中部森林管理局)・山田利博(東大千葉演)

P17 3次元レーザースキャナを用いたアテ(ヒノキアスナロ)漏脂病被害林分における樹幹形状の把握
○矢田 豊(石川県林試)・森本康永(地域みらい)

P18 マツ枯れ防止用樹幹注入剤の注入処理成否予測-日本海側気候区(石川県)における予備的検討-
○矢田 豊・千木 容(石川県林試)・八木豊夫(樹木医会石川)

P19 農薬を使用しないマツノマダラカミキリ成虫駆除の可能性(Ⅲ)
○杉本博之(山口農林総セ)・薦田邦晃(カモ井加工紙)・岡田武治(井筒屋化学)・曽根晃一(鹿大農)

P20 トドマツとエゾマツ苗木におけるマツノザイセンチュウの9ヵ月の存続と茎での繁殖
○春日速水・富樫一巳(東大農)

P21 支柱効果を目的とした不定根の誘導と育成-Ⅱ.強度増大のための処置とその後の経過-
○徳江 泉(マグハウス)・山岡好夫(玉川大農)

P22 サクラ属の挿し木増殖法の検討(第二報)
○清水淳子・綾部 充(東大理日光植物園)

P23 菌根菌を活用したサクラの樹勢回復手法について
○奥田英治(関西電力)・猿田年保(松本微生物研究所)・栗栖敏浩(環境総合テクノス)

P24 踏圧下のサクラ苗木に与える改良土壌量の影響
永井 香・○渡辺直明・熊倉 充(東京農工大農)・神庭正則(エコル)・坂本博明(柳島寿々喜園)・山下得男(富士植木)

P25 大島のサクラ株の保全に向けた取り組み
○和田博幸・西山正大(日本花の会)


樹木医学関係の機器等の展示(11月27日9:00~16:30)

C1 樹勢回復資材
奥田英治(松本微生物研究所)

C2 打撃音樹内腐朽簡易診断装置「ぽん太」
黒川英樹(ワールド測量設計)

C3 超大型貫入抵抗測定器(RESI-PD1000型)
永石憲道(東邦レオ)

5. 発表要領

口頭発表
  1. 口頭発表の講演時間は1題15分(発表12分,質疑応答3分)です.
  2.  
  3. パワーポイントによる講演といたします。発表用ファイルは,事前にWindows版「Power Point 2003」または「Power Point 2007」で正常に表示されることをご確認下さい.講演会場に,パソコンとプロジェクターを準備いたします.ファイル名は「講演番号-発表者名字」とし,「A14-Kusumoto.ppt」のように半角で標記してください.ファイルは,記憶媒体でお持ち下さい.
  4. 午前中の発表者は9:10までに,午後の発表者は13:50までに記憶媒体を担当者にお渡し下さい.
ポスター発表
  1. ポスターは11月27日の9:00から16:30まで掲示します.コアタイムには各自のポスターの前に待機していただき,必要に応じて説明をしてください.
  2. ポスター発表のため,横85 cm×縦120 cm(A0サイズ)の大きさのスペースを用意します.発表者はスペースの大きさに合わせたポスターを準備してください.
  3. ポスターの貼り付けは,11月26日の12:00~13:30,または11月27日の8:30~9:00に行ってください。会場には画びょうを準備いたします.

6. 「速報」原稿

 発表者は学会誌「樹木医学研究」に掲載する「速報」原稿を別途ご準備ください.詳細についてはこちらをご確認ください.

7. 諸経費

 参加費などの諸経費は以下のとおりです.当日参加申込も受付けております.

大会参加費: 会 員 3,000円(講演要旨集代を含む) (大会当日受付4,000円)
  非会員 4,000円(講演要旨集代を含む) (大会当日受付5,000円)
  学生会員・学生非会員 1,000円(講演要旨集代を含む)  
  懇親会参加費:5,000円(学生3,000円)  

 なお,大会期間中の昼食は,会場周辺の飲食店等をご利用ください(弁当の予約はいたしません).

8. 申込・問合せ先

第16回樹木医学会大会運営委員会
〒113-8657 文京区弥生1-1-1
 東京大学農学部森林植物学研究室内
 松下範久
 TEL: 03-5841-5226,FAX: 03-5841-7554,e-mail: 16th-meeting@thrs.jp

9.各種ダウンロードファイル

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地平線に並ぶ樹木